院長ブログBLOG

西広島リハビリテーション病院
病院長 岡本 隆嗣

チームの“血液”

2018年5月8日

 私が働き出して間もない頃、「看護は病院の中の“血液”です」という話を聞きました。看護師は、酸素や栄養素を身体の隅々まで届ける血液のように病院中を駆け巡る。看護師が動かないと病院の中の循環が止まり、各部署が臓器不全を起こす。このような意味で使われていたように記憶しています。
 最近ふとその言葉を思い出しました。そのきっかけは、昨年9月から半年にわたり、NHKスペシャルで放送されていた「シリーズ人体 神秘の巨大ネットワーク」を観たことです。

 この番組は、タモリさんとノーベル賞学者の山中伸弥先生の軽妙なトークと美しい顕微鏡写真、そして迫力のあるCG画像などで好評を博しましたので、ご覧になった方も多いのではないかと思います。このシリーズの第一作「驚異の小宇宙 人体」は平成元年に放送されました。当時私は中学生でしたが、初めて観る人体の映像やCG画像にとても驚いたのを覚えています。
 今回のシリーズは、「体中の臓器がメッセージ物質を介してお互いに直接情報をやりとりしている」ということがテーマでした。以前の医学では「脳が全体の司令塔となり、他の臓器はそれに従う」というものでしたが、最近では、いろいろな臓器からこのメッセージ物質、すなわちホルモンが分泌され、脳からの指令を待たずして「それぞれが直接情報をやりとりし、各臓器の働きが調整されている」ことが分かってきています。血液は酸素や栄養素を各臓器に届ける運搬路というだけでなく、各臓器がそれぞれ協調して働くための「情報ハイウェイ」でもあるのです。
 学生の頃に一部習った覚えがありますが、“人体=巨大なネットワーク”という新しいイメージに変わりつつあり、あらためて医学の進歩に驚かされました。

 リハビリ医療では専門的な知識を持つ多くの職種が関わります。医療的な判断や指示はもちろん医師から出ますが、24時間の生活をみていくリハビリでは、一方向の情報伝達では足りません。情報を受け取った職種がさらに情報を出し、お互いに情報交換をしていくという、双方向のネットワークが必要です。情報を運ぶだけでなく、情報のハブ(中心となる中継点)となる役割が欠かせません。薬や食事、リハビリ、心理面、退院後など、生活の全てに他職種と協働して関わる看護師は、チームにおける情報ネットワークの要と言え、まさにチームの中の「血液」です。

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 これから重要となる地域のリハビリでは、それぞれの職種が違う事業所に居るため、情報交換は病院と比べもっと大変です。しかし各職種の間を駆け巡り、情報交換の中心となる看護師のスキルが高まれば、地域におけるリハビリチームのレベルがさらに高まると期待しています。

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このブログは患者さん、ご家族の方、一般の方、そして職員にも、 当病院のことをもっと身近に感じていただきたいという思いで作りました。 日々の出来事の中で私が思ったことをつづっていきたいと思います。

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