“声で伝える”笑顔と元気

ごあいさつ

西広島リハビリテーション病院
病院長
岡本 隆嗣
はじめまして!このブログは患者さん、ご家族の方、一般の方、そして職員にも、 当病院のことをもっと身近に感じていただきたいという思いで作りました。 日々の出来事の中で私が思ったことをつづっていきたいと思います。

 本ブログで「挨拶」については何度も話題にしていますが、当法人では「コミュニケーションの基本は挨拶にあり」、ということで、その大切さについて新人研修の時から繰り返し教えています。コロナ前は「私の会社の社員を貴院へ送り込んで研修させたいと思いました」とお褒めの言葉を頂いたことや(院長ブログ2019年9月)、他院から「見学時の職員の対応が素晴らしかった。接遇研修に来て欲しい」と言われ、講師として研修を行ったことさえありました。

ところが・・・
 2020年からのコロナウイルス感染症の拡大により、会話時の飛沫の拡散が問題となり、直接対面でコミュニケーションをとる機会が激減し、会話をするにしてもマスクを装着し、小声で行なうことが当たり前になりました。コロナ禍の病院では感染対応が優先され、仕方がない部分もあるのですが、院内を歩いていても元気の良い挨拶に遭遇する場面や、笑顔や笑い声が減っていることがとても気になっていました。
 しかしここ最近の退院後のアンケートでは、患者さんやご家族から、「皆さんからとても感じの良い挨拶をして頂きました」、「挨拶をしてこなかった人が一人もいなかった」、「すれ違う職員が挨拶をしてくれるのにびっくりしました」などのコメントを毎月たくさん頂きます。自分が院内で感じているのと、このアンケートの回答のズレは一体どういうことだろう?と、この2年間ずっと疑問に思っていました。
先日、サービス向上委員会の企画で、接遇のプロに丸1日当法人に滞在して頂き、抜き打ちで職員の接遇をチェックしてもらいました。その先生には、数年前にも当院に来て頂いたことがあります。夕方に感想をお聞きして、疑問が氷解しました。
「率直に申し上げますと、前回来院した時は非常に活気があり、研修中も皆さんがたくさん発表して下さり、凄いなという印象がありました。今回は活気がなく、職員同士の挨拶も少ないと感じました。外部の人には挨拶が出来ていても、仲間には甘えてしまう。お互いに出来ていないという気づきが少なくなっているのではないでしょうか。」
 やはりそうでした。面会制限やマスク着用により挨拶の声が小さくなったことをきっかけに、段々と出来ていたことが出来なくなってきていたのです。
先生はこうも付け加えられました。「しかし他はもっと出来なくなってきています。それに比べると良いのですが、こちらのコロナ前のレベルは今とは違っていました。急には戻りませんが、少しずつ良くしていって下さい。」
患者さんやご家族から褒めて頂くのは、他と比べた相対的なもので、やはりコロナ前と比べると、我々の接遇の力は低下していたのです。
今月の挨拶キャンペーンのスローガンは、『マスクでも「声で伝える」笑顔と元気』でした。医療機関でのマスク着用は当分続くでしょう。しかしそれを言い訳にせず、まず今の実力を認識し、先生が言われるように、職員皆が少しずつ、一歩ずつ、また歩んで行きたいと思います。
ライバルは他施設ではなく、過去の自分達や患者さん・ご家族の期待です。それに応える努力や想いが、皆を元気にしていくのではないでしょうか。頑張りますので、見ていて下さい!