バナナ

8月5日「バナナ」

今日のテーマはバナナです。

まずは日本語の「バナナ」を声に出してみました。普段よりも意識して、大きな声で一人ずつ発音すると、バナナの香りが漂うような不思議な感じです。次いで英語の「バナーナ」。「バ」の次の「ナ」を高(強)く言ってみます。

20200805_01
スタッフ「皆さん、うまい!英米の市場で買えますよ!!」

「では、今度は、バナナで知っていることを何でも話して下さい。」すると、別のスタッフが補って「つまり、バナナについての“蘊蓄(うんちく)”ですね。」やや考えて、Aさんが「昔、日本で作っていた。」

(スタッフの内心の声「えっ?明治に台湾から入って来た、と読んだけど、物知りのAさんが言う“昔”は、台湾が日本の領土だった頃を指すのかしら?調べてから改めて話題にしよう。」)

Bさんが張りのある声で待ちかねたように「叩き売りの口上を知りたい!」(スタッフは内心で快哉を叫びました。「計画してあったとおりの流れをBさんが作ってくれた。ありがたい!!!」グループリハビリはご参加者とスタッフが共同で創るものであるのを再確認。)

「Bさん、ここに門司港での叩き売りの口上があるんです。ひととおり目を通してから声に出して読んで、私たちに聞かせて下さい。」Bさんは、ためらうことなく朗誦し、隣の席のCさんが微笑みながら、少しBさんの方に身体を傾けて聴き入っておられます。

「ところでバナナは、以前は値段が高くて、子どもは病気の時ぐらいしか食べさせてもらえなかった、と雑誌で読んだのですが、皆さんもそうでしたか?」

すぐにCさんが頷きました。

Aさんは「親戚が野菜や果物の店をやってたから、手に入りやすかった。」

参加者のお一人おひとりの中で、バナナと日本とご自分の織り成す歴史を振り返る時間になったようにうかがわれました。
20200805_02