院長ブログ
西広島リハビリテーション病院
病院長 岡本 隆嗣
灯をつなぐ
2022年3月31日
今週から新入職員の研修が始まりました。第6波のコロナ対応で疲弊していた病院内がにわかに活気づいてきました。また病院の入り口にある桜が満開を迎え、本格的な春到来に職員や患者さん達の笑顔が増えたような気がします。
先週、サッカー日本代表がワールドカップ出場を決めました。先制点にからんだ山根・守田・三苫の3選手はフロンターレ川崎出身のメンバーです。この5年間で4回優勝しているフロンターレは、地域に根の張った活動を行い、Jリーグの理念を体現した模範のようなチームと言われます。
先日BS放送で「Jリーグの灯をつなぐ男たち」という特集番組が放送されていました。
「スポーツを愛する多くのファンの皆様に支えられまして、Jリーグは今日ここに大きな夢の実現に向かってその第一歩を踏み出します!」という初代チェアマン川淵三郎さんの力強い開会宣言で開幕したJリーグは、今年で30年を迎えます。
Jリーグの大きな夢、それは理念として掲げられています。
一、 日本サッカーの水準向上及びサッカーの普及促進
一、 豊かなスポーツ文化の振興及び国民の心身の健全な発達への寄与
一、 国際社会における交流及び親善への貢献
日韓ワールドカップの開催、7大会連続のワールドカップ出場、地域に根ざしたスポーツクラブを核としたスポーツ文化を振興するという“Jリーグ百年構想”などは、Jリーグが理念を体現し、順調に進んできたように見えます。しかし8年前の財政危機や昨今のコロナ禍は、Jリーグの灯を消し去りかねない大きな試練となりました。
今月で8年の任期を終え退任された5代目チェアマンの村井満さんが、番組の中でこの2年間のコロナとの戦いを振り、次のように語っていました。
僕は就任した時から、理念に近づくものはやる、そうでないものはやらない。困った時にどう考えるかは決めていたので迷いはなかった。
武漢の都市封鎖前日の1/22には各クラブにコロナ対応窓口を設置するなど、即断即決のJリーグの危機対応は見事でした。チェアマンの正確な判断と決断力、クラブの努力と選手たちの奮闘により、先人達から受け継いだJリーグの灯は次世代につながりました。
今年当法人も医療・介護・予防(健康増進)の機能を持った複合施設の“WEL・NET”として再出発して30年です。この2年間はJリーグと同じく、突然のパンデミックで苦しい判断の連続でしが、我々の拠り所となったのも「信じ合い、明日を拓く」という法人理念でした。入院・入所という共同生活を皆が安心して過ごせるように、職員だけでなく、患者さん・ご家族に対しても、お互いが“信じ合える”ために守るべき感染対応を実践してもらいました。また前例が無い事態に対し、皆で感染対応のルールを定め、新たな道を “切り拓き”ながら、職員一丸となってチャレンジを続けています。
新人研修では、医療・介護の現場で最も大事な「リスク対応の教育」と並び、「理念教育」が大きなテーマです。理念とは、遠くに“灯”のように見える自分たちの目指すべき姿。それがハッキリと見えてきた職員が次の世代を教育し繋いでいきます。
近い将来、理念という根がしっかりと張った職員には、病院入り口の桜のように、きっと大きな花が咲くでしょう。
キーワード:
ごあいさつ

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このブログは患者さん、ご家族の方、一般の方、そして職員にも、
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日々の出来事の中で私が思ったことをつづっていきたいと思います。
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