おもてなしの心(1)

ごあいさつ

西広島リハビリテーション病院
病院長
岡本 隆嗣
はじめまして!このブログは患者さん、ご家族の方、一般の方、そして職員にも、 当病院のことをもっと身近に感じていただきたいという思いで作りました。 日々の出来事の中で私が思ったことをつづっていきたいと思います。
今月7日に発表された、政治家の小泉進次郎さんとキャスターの滝川クリステルさんの結婚のニュースは、久しぶりに明るい話題として連日ニュースで報道されました。東京オリンピックが近づいてきたこともあり、6年前に開催地決定直前のIOC総会で行われたプレゼンテーションで、滝川さんが行った「お・も・て・な・し」のスピーチが再び話題になりました。
 先日東京に行った際、近くでオリンピックのプレ大会(テストイベント)が開催されていましたが、猛暑や台風による交通機関の大混乱で、皆疲れて笑顔はなく、駅員に必死の形相で詰め寄っている人もいました。精神的に余裕がなくなると、「おもてなしの心」はどこかに吹っ飛んでしまうのでしょう。
先月、接遇のプロに、丸1日当法人に滞在して頂き、抜き打ちで職員の接遇をチェックしてもらいました。それを夕方の全体研修でフィードバックする、というサービス向上委員会の企画です。
 朝のミーティング時に数名は通路側にも気を向けて患者さんや来院されたご家族に対応できるよう役割分担が出来ていた、送迎バスから降りた通所の利用者さんの手を職員が握った時に手が冷たいことに気づいて体調を気遣っていた、患者さんを乗せた車椅子を押して訓練室に入る時「ガタッとしますよ」と声掛けをしていた、入院受付ではホテル並みのお出迎えの対応ができていた、など、本当に細部に至るまで評価をしてもらい、全体的に褒めて頂きました。
 一方、その日は予定の入退院者に加え、緊急転院が重なり、とても多忙な1日でした。そういう場面では、笑顔に乏しく、担当の患者さんにばかりに目が行き周囲の方がおざなりになっている事があった、などの厳しい指摘も報告書に記載してありました。業務が忙しい時や余裕がない時の対応は難しいですが、「相手目線に立ち位置を変えて物事を捉えることに取り組み、更にレベルアップして欲しい」、と期待を込めて助言を頂きました。
数日後、病院の入口に冷たいおしぼりが設置してあるのを見つけました。猛暑の中、汗だくになってホテルにチェックインした際に、冷たいオシボリをだしてもらって嬉しかった経験から、職員のアイデアで設置したそうです。
確かに駐車場から荷物を持って来るだけでも、汗が吹き出します。早速、相手目線に立った業務改善が行われていたことに、嬉しさを感じました。接遇は技術ではなく、相手を気遣う心の問題、すなわち「おもてなしの心」だと再認識しました。
当院へお越しの際は、是非入口で冷たいおしぼりをご利用下さい。汗を拭いて一息つきながら、職員の「おもてなしの心」を少しでも感じていただければ幸いです。