リモートコミュニケーションの課題 (1)

ごあいさつ

西広島リハビリテーション病院
病院長
岡本 隆嗣
はじめまして!このブログは患者さん、ご家族の方、一般の方、そして職員にも、 当病院のことをもっと身近に感じていただきたいという思いで作りました。 日々の出来事の中で私が思ったことをつづっていきたいと思います。
昨春は新型コロナウイルスの影響で、多くの学会や研究会が中止に追い込まれました。しかし夏になる頃にはWEBを用いたものに一気に切り替わり、今ではWEBで行うリモート学会・リモート研修が当たり前になりました。最初は違和感がありましたが、自分のPCで視聴できるため、画像も音声もよく分かります。会場の後ろの方でスクリーンが見えづらい、周りの話し声が気になって頭に入らない、などということもありません。
2月に回復期リハビリ協会が主催している研修会に運営側として参加しました。この研修会は、元々グループワークが中心の研修会です。さすがにWEBを用いたリモートでこの研修会を行うのは難しいと思っていましたが、主催側も参加側も、リモートのスキルが上がっているのか、全体での説明やグループでの討議、2グループ合同でのディスカッションなど、対面で議論しているような錯覚に陥るほど、スムーズな運営でした。「自宅や職場に居ながら、全国の参加者と一緒に学ぶことができてとても有意義」という意見を多く頂き、現段階では大成功と言えるでしょう。
 3月は同じく回復期リハビリ協会主催の全国研究大会がWEBでリモート開催されました。昨年の札幌大会、今年の熊本大会と、予定されていた大会が2回連続で中止となっていたので、オンライン上であっても、新しい知識を吸収したり、自分たちの仕事の成果を発表して外部の人達とやりとりしたりする機会があるのはとても重要なことだと感じています。
どちらも、WEBリモートの知識をこの1年で学んだ協会の事務局と委員が中心となり、手作りの研修会や研究大会でしたが、両者とも見事な出来栄えだったと思います。
今月の4月1日から改定された介護保険においても、本人・ご家族ならびに医療・介護関係者で行うリハビリのカンファレンスをリモートで行うことが可能となりました。これは対面による感染防止対策ということだけではなく、今まで会議に参加するための移動に膨大な時間を要していたことを改善する狙いもあるようです。国の制度になるくらいですから、今までセキュリティの関係上ITの活用に消極的だった医療・介護分野にも、コロナ禍においてリモートのコミュニケーションが急速に広がってきたと言えます。
このようにリモートコミュニケーションは、便利で効率的であることは間違ありませんが、一方で相手が自分の発言をどう感じているのか、一生懸命聞いてくれているのか、その雰囲気や様子を感じることは困難です。また直接コミュニケーションをとる時のような緊張感は感じません。
なぜそう感じたのかは、次回お話ししたいと思います。