リアルなコミュニケーション (1)

ごあいさつ

西広島リハビリテーション病院
病院長
岡本 隆嗣
はじめまして!このブログは患者さん、ご家族の方、一般の方、そして職員にも、 当病院のことをもっと身近に感じていただきたいという思いで作りました。 日々の出来事の中で私が思ったことをつづっていきたいと思います。
昨年大ヒットした代表的なドラマといえば、「半沢直樹」を挙げる人が多いのではないでしょうか。本シリーズ後半からは、半沢が東京中央銀行に再び戻り、経営危機に陥った帝国航空の再建計画を任されます。その中で自力再建できる力が会社に残っているかどうか、部下と一緒に現場を見回っている場面がありました。その時半沢は、帝国航空の社員を見て一言、「ここは腐っていない」とつぶやきます。これはその時部下に対して言ったセリフです。
まだまだ未熟者の俺だが、いつの間にか自分なりに物差しができた。
倒産寸前の会社では大企業でも大阪の小さな町工場でも同じ現象が起きる。
それは“挨拶”だ。
倒産する会社は社外の人に挨拶をしなくなっていく。
会社に対する自信と誇りがなくなるからだ。
だがここは違う。
各部署では教育が行き届き、特に空の安全を守る意識は見事なものだ。
感服させられる。
従業員は皆、自分たちの仕事にプライドを持っている。
それは大きな強みだ。

 

 
(TBSドラマ日曜劇場 「半沢直樹」第5話より)
航空会社と医療は全く別の仕事のように見えますが、実は共通点がたくさんあります。飛行機の離陸から着陸までは入院から退院とよく似ており、どちらも一歩間違えれば命に関わるリスクに常にさらされています。現場には多くのマニュアルが整備され、仕事の手順に間違いがないか何度も確認し、事故が起こらないよういつも細心の注意を払っています。そのためには現場を支える後方支援の人たち(ロジ班)を含めたチームワークが必要です。
万が一インシデント(ヒヤリとする出来事)やアクシデント(事故)が起きたら、その原因を徹底的に究明します。また安全を守るためには、乗客・患者さんとの協力が欠かせません。周囲の安全を脅かすと判断された時には、搭乗・入院を中止してもらう場合さえあります。快適さも重要ですが、常に安全重視、安全を守る教育が最も大事です。
安全を守る意識、技術を磨く努力、それを全体に徹底する教育、そして自分たちの仕事の質へのプ
面会制限やマスク着用で、直接お互いが顔を見合わせて、つまり“リアル”なコミュニケーションが取りづらい状況が続き、もうすぐ1年になります。最近ではWEBを介した“リモート”のコミュニケーションが増えてきました。しかし先日頂いた退院時のアンケートでは、「明るい笑顔と挨拶が、病院全体を生き生きさせていた。患者や家族にとって大きな薬でした。」と褒めて頂きました。当法人のスタッフには、挨拶をはじめとした直接のコミュニケーションの重要性が浸透している気がして、嬉しくなりました。