ロジ班のレジェンド達たち (2)

ごあいさつ

西広島リハビリテーション病院
病院長
岡本 隆嗣
はじめまして!このブログは患者さん、ご家族の方、一般の方、そして職員にも、 当病院のことをもっと身近に感じていただきたいという思いで作りました。 日々の出来事の中で私が思ったことをつづっていきたいと思います。
コロナウイルス感染症に始まり、豪雨や土砂災害、台風など、今年も日本列島は様々な災害に見舞われています。このような時多くの災害支援チームが活動を行いますが、チームには必ず“ロジ班”と呼ばれる人たちがいます。ロジとはロジスティクス(Logistics)の略です。最近は「物流を一元管理して消費者に素早く届ける」というビジネス用語として聞くことが多いかもしれませんが、もともとは軍事用語で、「武器や食料などの物資を後方から前線へと補給する活動」のことを意味します。そこから「後方支援(業務)」を担う人は“ロジ班”と呼ばれます。
8月の終戦記念日の特集番組でやっていましたが、それまでの戦争は基本的に指揮官の采配や軍隊の士気に勝敗が左右されていたのに対し、第二次世界大戦はロジ班が優れていたほうが勝った、という分析があるそうです。当時、兵力や物資・食料の補給、傷病兵の治療など、最前線を支える体制で、日本軍と米国軍には大きな差がありました。
 これは現代のビジネスにおけるシステムや組織などにおいても、同様のことが言えます。例えば海外の一流プロスポーツチームには、トレーナー、用具係、遠征担当者、データ分析係、スカウト、広報、など多くのロジ班が選手の活躍を支えています。ロジ班の強さがチームの強さを決めていると言っても過言ではありません。
当法人を考えてみても、保険請求、各種手続き、物品購入、財務、広報、情報管理、給食、清掃、施設管理、採用、営業活動など、これらが無くては現場が回りません。しかし私自身、医師として働き始めたときは現場の医療に精一杯で、その仕事をよく理解していませんでした。現在は病院全体、法人全体を見る立場になり、ロジ班の人たちが、いかに現場がスムーズに、そして患者さんやご家族が快適に過ごせるかを考えて努力してくれていることを実感します。手前味噌で恐縮ですが、当法人のロジ班は、見学に訪れた人たちだけでなく、保健所や厚生局の定期的な立ち入り指導、5年に1回の病院審査(病院機能の外部評価)などの外部評価でいつも褒められます。

朝早くから送迎車をピカピカに磨き上げ、施設の管理から災害対応、リハガーデンの手入れまで行ってくれる防災センターのスタッフ。30年以上経っても「新しい」と言われるほど、院内を徹底的に掃除してくれる清掃のスタッフ。患者さんに大好評な食事をいつも作ってくれる栄養課のスタッフ。彼らの卓越した技術や丁寧な仕事ぶりは、「清掃が行き届き気持ち良い病室だった」、「食事が美味しかった」など、退院後アンケートの多くの声に表れています。

このような“ロジ班のレジェンドたち”に支えられて、現場のスタッフが活躍できます。この支えに感謝しながら、我々現場のスタッフも負けないよう頑張ります。