見えない敵との戦い

ごあいさつ

西広島リハビリテーション病院
病院長
岡本 隆嗣
はじめまして!このブログは患者さん、ご家族の方、一般の方、そして職員にも、 当病院のことをもっと身近に感じていただきたいという思いで作りました。 日々の出来事の中で私が思ったことをつづっていきたいと思います。
コロナウイルスが日本でも猛威を振るい、感染が拡大しています。先週の7日に広島でも陽性者が確認されました。翌日のドラッグストアに長蛇の列ができたと報道された通り、各ご家庭でもマスクやアルコール剤が不足し、今後の感染対策に不安を覚えておられる方が多いことでしょう。我々病院も同じ状況で、ウイルスに対する警戒と同時に、物資の不足にも直面しています。
「見えない敵」である感染症はどこから院内に入ってくるか分からず、常に緊張を強いられます。不安が募ってくると、咳をした人を見かけただけで「もしかして・・・」と考えてしまいます。また真偽の分からない様々な情報が飛び交い、我々がそれに振り回されている面もあるでしょう。ウイルスと直接戦う前から神経戦を仕掛けられてすでに疲弊させられているようです。また現在は感染拡大が続き、この戦いは持久戦の様相も呈してきました。
今我々に必要なのは、「正確な情報」の共有と、「的確な診断」による対応です。
この経験したことのない事態をどのように乗り切るか。前例はありませんので、それぞれの対応が良かったかどうかは、状況が落ち着いてから検証してみないと分かりません。とにかく今は皆が同じ意識を持って協力し合うことが大事です。先日のコロナウイルス専門家会議の声明は、「全国の若者の皆さんへのお願い」として次のように結ばれています。
10代、20代、30代の皆さん。若者世代は、新型コロナウイルス感染による重症化リスクは低いです。でも、このウイルスの特徴のせいで、こうした症状の軽い人が、重症化するリスクの高い人に感染を広めてしまう可能性があります。皆さんが、人が集まる風通しが悪い場所を避けるだけで、多くの人々の重症化を食い止め、命を救えます。
これは若者だけでなく、高齢者と日々接する我々を含め、皆が心がけるべきことです。とにかく皆で同じ意識を持ち、共通の敵であるウイルスに立ち向かわなければなりません。しかし残念なことに、一部報道によると感染の最前線で戦っている医療者やその家族に対し、心ない誹謗中傷の言葉が浴びせられている事例が出ているようです。皆冷静な判断が出来なくなっているのでしょう。

当法人では先月末から面会制限を行い、出入り口を1か所に限定して、体温測定や体調チェックをさせて頂いております。この度は「きちんと対策していただいて安心です」、「皆さんも大変ですね」などと声をかけて頂くことが多く、本当はもっと長い時間ご家族と面会したいでしょうに、その言葉だけでも我々は救われた気持ちになります。
しばらく窮屈な生活が続くでしょうが、皆様のご協力を頂きながら当法人も対応していきたいと思います。皆で一緒に頑張りましょう。