退院後のフォローアップ~回復期リハ病棟 新時代へ~(1)

ごあいさつ

西広島リハビリテーション病院
病院長
岡本 隆嗣
はじめまして!このブログは患者さん、ご家族の方、一般の方、そして職員にも、 当病院のことをもっと身近に感じていただきたいという思いで作りました。 日々の出来事の中で私が思ったことをつづっていきたいと思います。
私が小さい頃、地元の家電量販店の“売り”は、購入後のアフターサービスでした。販売価格は他の店とそれ程変わりませんでしたが、購入後の設置、使用方法の説明、また機器の調子が悪いときにはすぐに自宅に来て対応してくれていました。その修理をそばで見るのが楽しくて、よく弟と家電修理屋の“ごっこ”遊びをしていたように覚えています。当時、地元の人達が皆そこから製品を買っていたのは価格ではなく購入後の“安心感”からだったように思います。その後、全国規模の大型電気店との価格競争の波に呑まれ、その特徴が薄れた気がしますが、今でも自前のアフターサービス部隊を持ち頑張っているそうです。
時が過ぎ、数年前に家を建て、引き渡しの際に説明を受けました。ある程度分かった気でいましたが、家の管理は初めてのことで、実際に住んでみると気になることがいくつか出てきました。3ヶ月後にアフターメンテナンス専門の担当者がやってきた時、ちょっとした不具合はその場で直し、対応が難しい場合はすぐ業者に連絡を取り修理の段取りをつけてくれました。その会社にはアフターメンテナンス専門の部署があり、担当者が気づいたことは本部にフィードバックされるようになっていました。それらがまた家づくりに活かされ、アフターメンテナンスの新たなノウハウになっているそうです。住宅メーカーを選ぶ際に重視していなかった点でしたが、実はいちばん大事なのではないかと思いました。点検後は大きな安心感に包まれ、いつの間にかその会社に対する“信頼感”になっていました。素晴らしいフォローアップのシステムだと思いました。
現在、2018年度の診療報酬・介護報酬の議論が進められています。回復期リハ病棟については、「実績指数の基準を上げて在院日数を短縮する」という方向が示されていますが、もう一つ、回復期(医療保険側)からも退院後のリハビリ提供が数ヶ月でも出来るように専従要件(一つの仕事に従事すること)を緩和してはどうか、という内容が出ています。退院後のフォローアップを行おうとすると、今の規定ではどうしても「サービス」の部分が多くなってしまいます。いよいよそれが我々の「仕事」になる時代がやって来そうです。丁寧なフォローアップは患者さん・ご家族の安心感だけでなく、我々に対する地域からの信頼感も増してくるでしょう。大事なのはそこで得た経験やノウハウを入院リハビリにいかに取り入れるかではないかと思います。
もう一つ大事な点に気づいたので、次回お話ししたいと思います。