データの重要性[1]

ごあいさつ

西広島リハビリテーション病院
病院長
岡本 隆嗣
はじめまして!このブログは患者さん、ご家族の方、一般の方、そして職員にも、 当病院のことをもっと身近に感じていただきたいという思いで作りました。 日々の出来事の中で私が思ったことをつづっていきたいと思います。
新年度の人事異動が落ち着いたこの時期になると、いろいろな連携病院からの広報誌が届きます。時々その中に、前年度の診療実績が含まれた「年報」が含まれています。広報誌の一部ページに掲載されている、いわゆる簡単な報告のようなものから、地域活動まで含めて立派に冊子にしているところまで様々あります。
 どのようにデータを収集しているか、誰がデータを入力しているのか、誰がデータをまとめているのか、どういう切り口でグラフにしているのか、など、気になるところはたくさんありますが、そのような年報は特に毎年楽しみに見せて頂いています。
 当院では入院患者さんの診療実績をまとめた年報を「退院患者統計一覧」として毎年作成し、関係の医療機関を中心に配布しています。これは元院長が私に残してくれた大事な仕事の1つです。
脳神経外科医だった元院長は、非常にデータを大事にされる方でした。急性期病院の部長をしていた時代はもちろんパソコンが無い時代ですので、手術記録を記したデータカードを用い、検索しやすいようパンチで穴をあけ、分類・整理しておられたそうです。
 当院に赴任して来られた平成5年も、まだ病院にパソコンが数台しかありませんでした。患者さんがどこから来るのか、どんな患者さんなのか、どこへ行くのか、などの統計データが無かったため、パソコンを病院に導入し、1からデータベース作りが始まりました。
 それから20年以上、毎年病院の診療実績をまとめて作成し、連携機関に印刷して配布しています。毎年少しずつ変更を加え、今年は55ページの「退院患者統計一覧」が出来上がりました。約2,000部印刷予定です。
時々、「この統計資料は誰がどうやって作っているの?」と聞かれることがあります。方法はお伝えできますが、現場の職員が忙しい中、きちんと入力してくれるようになるまで長い時間がかかりました。今では当たり前のように作業してくれていますが、それは当院では「データ」をとても重要視しているからです。いつも元院長のことばを思い出します。
「経験とはバラバラな不規則な事柄である。たくさんのバラバラなものを集めてある方向からまとめたものがデータである。経験だけから物を言うことをしないように。データによって分析し検証し、そして改正して欲しい」

統計資料の作成については、次回お話ししたいと思います。