お金・仲間・筋肉

ごあいさつ

西広島リハビリテーション病院
病院長
岡本 隆嗣
はじめまして!このブログは患者さん、ご家族の方、一般の方、そして職員にも、 当病院のことをもっと身近に感じていただきたいという思いで作りました。 日々の出来事の中で私が思ったことをつづっていきたいと思います。
当院では毎年5~6回「地域リハビリ研修会」を開催しています(院長ブログ2014年6月2016年3月参照)。今年は「のばそう!健康寿命~いつまでも元気に暮らすための体づくり~」をテーマにして、[1]介護予防、[2]筋力・バランス、[3]口腔ケア、[4]介助技術、[5]食事・栄養、の5回シリーズで企画しました。第4回まで終了しましたが、介護予防というテーマがタイムリーだったからか、患者さんや専門職の方だけでなく多くの地域の方々を含め、毎回多くの方にご参加頂いております。
私は第1回を担当し、「運動は“万能薬”」、「使えば使うほど増えるのが“貯筋”」などの運動の大切さについて話しをしました。現在の医療では治療のための「安静」という概念が無くなりつつあり、とにかく適切に運動することが推奨されています。脳卒中や骨折にとどまらず、今では高血圧や糖尿病などの生活習慣病から認知症にまで、運動療法は幅広く効果がある治療だと認識されています。
今から約50年前のことですが、アメリカで有名な研究が発表されました(The Dallas Bed Rest and Training Study 1966)。健康な5名の若者をベッド上で安静にさせてところ、全身の持久力の指標(最大酸素摂取量)がたった20日間で28%も低下した、というものです。屈強な若者であっても心臓への負担が少ない環境に適応した結果、あっという間に衰えてしまうことが分かりました。この実験で安静の弊害を体験した5名は、その後適度な運動習慣を維持しました。
そして30年後、再び体力測定が行われました。(A 30-Year Follow-Up of the Dallas Bed Rest and Training Study,2001)。さすがに30年前と比べると12%程低下していましたが、それでも30年間の老化より、20代の若者が3週間安静にした方が、体力の衰えが倍以上だったという、驚くべき結果でした。でも「しっかり動いて体力や筋力を維持しましょう」と、言うのは簡単ですが、長期間それを継続するのは大変です。
先日芸能界を引退された島田紳助さんの記事がふと目に止まり、さっそく週刊誌を買って読んでみました。そこにはこのように書いてありました。
僕は常々、老後に必要なのは「お金と仲間と筋肉」と言うてるんです。この三つがあれば幸せに生きられると思っています。お金は、それまでの仕事や資産形成とか、個人の事情に左右されるから、歳を取ってから急に思い通りにはならないかもしれないですけど、仲間と筋肉は、自分の努力次第で後からいくらでも豊かにできるんですよ。
コツコツお金を貯めて、黙々と筋力トレーニングをして筋肉を増やしても、それを一緒に使う「仲間」の存在が大切。そういう意味なのではないかと思いました。記事のインタビューによると、紳助さんが引退してからいなくなった友達は2人くらい、逆に増えたのは何十人もいるそうです。「仲間作りも努力次第。」華やかな芸能界から突然引退した紳助さんですが、この言葉はとても説得力があるように感じました。
11月11日(土)は今年最後の地域リハ研修会です。皆さん、仲間を誘って是非ご参加下さい!